フランス映画を取り巻く状況は厳しい。フランス映画が最も注目を集めたヌーヴェル・ヴァーグの時代が終わって以来、フランス国外で上映される作品は減る一方だ。たとえば、フランスからアメリカに輸出され、字幕付きで上映される映画は往年に比べると著しく少ない。そんなフランスの映画界がいま別の方面で脚光を浴びている。それがフランス資本が入り、他国の監督たちの手によって作られた作品たちだ。今回の記事では、ワールドシネマの主要な一角を担うフランスの制作者に光を当てたい。 その代表的な一人と目されるのが、CGシネマ社の代表・プロデューサーのシャルル・ジリベールだ。彼は、グザィエ・ドランの『わたしはロランス』、ガス・ヴァン・サントの『パラノイド・パーク』、オリヴィエ・アサイヤスの『夏時間の庭』といった国際的評価を得た作品の制作を務めている。特に、現在開催中のカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されたアサイヤ