首相と内閣記者会(官邸記者クラブ)常勤19社によるオフレコの「懇談会」が慣例で行われている。3日朝、菅義偉首相就任後初めて各社の首相番記者を対象に東京都内で開かれたが、京都新聞社は次の理由で欠席した。 新型コロナウイルス対策や日本学術会議の会員任命拒否問題を巡る説明が求められる状況にもかかわらず、首相は就任時を除き、広く開かれた形での記者会見を実施していない。国会も開こうとせず、国民に対して所信表明すらない。 ゆえに、見聞したことを記事にしない「完全オフレコ」が条件の飲食付き懇談会には参加できない-。 ジャーナリズムとして当然の姿勢だ、と思われるかもしれない。だが記者個人としては正直、葛藤もある。 記者は取材先に食い込んでネタを取るものと教わってきた。まして本音と建前が交錯する永田町。対象に肉薄しなければとの「本能」がうずく。一国の首相が裃(かみしも)を脱いだ時に何を語りどんな表情をするの