1946年に創刊された映画芸術は、脚本家の荒井晴彦が編集長を務める映画批評専門誌。厳しい選定・評価による「日本映画ベスト&ワーストテン」は毎年恒例の企画だ。2020年はいまおかしんじの「れいこいるか」がベストテン1位、黒沢清の「スパイの妻(劇場版)」がワーストテン1位に選出された。選者には映画評論家のみならず、映画監督、脚本家、プロデューサーなどの映画人、劇場スタッフや一般の会社員も名を連ねている。 「草の響き」は佐藤泰志による同名小説を「空の瞳とカタツムリ」の斎藤久志が映画化した作品。これまで「海炭市叙景」「そこのみにて光輝く」「オーバー・フェンス」「きみの鳥はうたえる」と佐藤の小説を原作に映画をプロデュースしてきた北海道の映画館・函館シネマアイリスの25周年記念作品だ。心を病んだ男が治療の一環として、来る日も来る日も函館の街を走り続けるさまが描かれる。奈緒、大東駿介、室井滋もキャストに