設計の知恵を、リアルな価値に変えるために 〜 競争的基本設計(Competitive FEED)とは何か 前回の記事「設計の知恵を、リアルな価値に変えるために 〜 問題の所在」 (2020-08-22)で、わたしは「設計で知恵を出しても、ビジネスとして評価されにくい」点に、SI業界を始め、多くの業種が抱える問題の根本原因がある、と書いた。 製品のコストと品質の殆どを決める設計段階でこそ、知恵を出すことが重要である。一般消費者向けのB2Cビジネスでは、製品・サービスの評価や売れ筋から、設計の良し悪しが、すぐ分かる。良い設計はビジネスの結果にダイレクトにつながって現れる。 だがB2Bビジネス、たとえばSI業界の分野などでは、顧客要求をもとに設計をした後、その基本設計書からRFPを作って複数社に引合いを行うのが通例だ。たとえ良い設計をしても、それは価格競争というレース場への、入場券にしかならない