数年前、とあるCEOと話していた時のこと。彼は、自身のチームに対し、理想とする会社の将来像に深い関心を向けるよう促すべきかどうか迷っていた。 彼は「この産業の将来について、財務目標の設定以上の計画を立てられるほどの知識が、果たして自分たちにあるのか自信がない」と語った。私は、彼の考えに同意できないことを細かに説明。その後、彼のチームと協力し、会社のビジョンや戦略を明確に定義する手助けをし、結果としてそれが役に立った。 しかし私はここ数年の間、多くの経営者たちから同じような質問を受けた。「変化の激しいこの時代に、どうやって自分たちのビジネスの将来像や、あるべき姿を描けばいいのか? ただチャンスを待つべきではないのか? ベストを尽くして突き進み、大きな転機が明確に見えた時点で方向転換すればいいのでは?」 私の答えは“No”だ。 ここ最近、実に多くの企業が大きな方向転換を図っている。業界の変化と