コンビニでレジに並んでいると、私の前に立つ高校生がおでんを買おうとしている。 「大根ひとつ、あと……」 すかさず店員のおばあちゃんが、 「全部でいくつ?」 と食い気味に被せてきた。後ろにいた私は思わず戸惑った。 しかしおばあちゃんは続けて、 「2個だったらカップに入れるけど多かったら大きい容器だからね」 と説明した。 おばあちゃん店員はなぜそんなことを被せてきたのか、それは容器のサイズを決めるためであった。大根と白滝しか買わないのなら小さいカップに入れればいいし、5つくらい買うなら大きい丼型の容器に入れる必要がある、それを予め決めておきたい。 店員の気持ちはわかるけれど、買う方としてはなんか違う。やはりコンビニのおでんというのは、選ぶ楽しみ、というか迷う楽しみがある。おでんなんて買うつもりはなかったのにレジの前に来たらダシのいい香りに誘われて、つい買ってしまうこともある。そんなときに、 「