そんなまさはるのことを、とあるブログで知って、心を衝き動かされたのが、清美さんだった。 ブログに載った写真のその目は、狂暴猫と呼ばれているのに、なんともピュアだった。 「この子をうちに迎えたい」。清美さんの願いに、一家全員が賛成した。 サロンで対面した時、まさはるは晴美さんをバックヤードの棚の上から見下ろしていた。写真で見たとおりのピュアな瞳だった。 「うちの子になる?」 問いかける清美さんを、まっすぐに見つめ返した。 「私の申し込みに、猫の館では『まだ、触れもしない猫なんです』と驚いていましたが、『たとえ触れないままでも、来てくれるだけで』という思いは変わりませんでした」と、清美さんは言う。 まさはるを家に迎える日。道中まさはるはスタッフに唸りっぱなしで、家に到着してからも「近寄るな」とばかり威嚇し続けた。当然、脱走対策には念には念を入れてあった。 だが、脱走どころか、まさはるは着いた翌