岸田文雄首相が原発17基の再稼働計画を推し進めるなか、そのうちの一つである宮城県の女川原発では、安全対策工事が着々と進められている。しかし、地元住民たちの多くはいまも不安を抱いており、ある調査では半数以上が再稼働に反対の意を示したという。英紙「ガーディアン」が、反対派の人々を取材した。 原発再稼働へ向かう日本 深い森に囲まれた丘の上に建つ「女川原子力PRセンター」から、木々の合間を縫って注意深く目を凝らすと、女川原子力発電所を見ることができる。 40年以上前、原発推進派がこの町に原子力発電所を(そして補助金の約束を)誘致する運動をしていたとき、彼らは、この人里離れた立地──東北地方の入り組んだ半島──を念頭に置いていたのかもしれない。 だが、その辺鄙な立地にもかかわらず、女川原子力発電所は現在、政治的なスポットライトを浴びている。福島第一原子力発電所で3基の原子炉がメルトダウンを起こした「