その大きな理由の一つは、作ろうとした音楽の理論に係わる問題です。 コルトレーンは、Giant Steps と言う、それまでのジャズにはなかった転調の激しいコード進行(わずか4小節で、1オクターヴを均等に3分割する転調)の曲を作曲しました。このコード進行は今では、曲名をとって Giant Steps Changes とミュージシャンの間では呼ばれています。 この曲の最初の録音(1959)の時、ピアノはトミー・フラナガンが担当していますが、アルバムを聴けば解るように、フラナガンはこの転調をあまり上手に処理できず、コルトレーンの意図もよく理解できていないと思われます。それは、フラナガンの才能が足りないのではなく、当時コルトレーンの始めたことがあまりに突飛であったため、当時のジャズピアニストでは、多分ビル・エヴァンスを呼んできたとしても、簡単には演奏できなかったことでしょう。 次の動画はGiant