岡山大学の研究グループは、トランスジェンダー男性に対するホルモン療法による体組成変化を分析した結果、長期的には低用量のホルモン投与でも十分な筋肉量増加効果を認め、安全に治療が継続できることを示した。 生下時の性別と自らの性自認が異なるトランスジェンダーの人々のうち、トランス男性(生下時の性別は女性で自らの性自認は男性であるトランスジェンダー当事者)は、自らの性自認と一致する身体的な変化を求め、男性ホルモン(テストステロン補充)療法を選択することがある。男性ホルモン製剤により、月経の停止、筋肉量の増加、声の低音化などが起こるが、トランス男性がホルモン療法で主に期待する筋肉量増加や筋力増強を効果的にもたらすための投与スケジュールは、完全に確立されていないという。 そこで本研究では、岡山大学病院でホルモン療法を受けたトランス男性291人の体組成変化を長期的に調べ、ホルモン療法による筋肉量増加効果