【染田屋竜太】織田作之助の夫婦善哉(めおとぜんざい)の直筆草稿など貴重な蔵書がある大阪府立中之島図書館が、廃止方針から一転、存続することになった。大阪府の松井一郎知事と大阪市の橋下徹市長が美術館などへの転用を打ち出していたが、リニューアルして魅力を高める。近く大阪府の戦略本部会議で決める。 大阪市北区の淀屋橋にある中之島図書館は、住友家の寄付で1904年に建てられ、外側がルネサンス様式、内側はバロック様式の造り。現役の公共図書館では国内で最も古く、国の重要文化財にもなっている。 約56万冊の蔵書の3分の1を古典籍が占める。論語の注釈書である「正平版論語」の初版や、平安から鎌倉時代の歌人・藤原定家の自筆の「明月記」の一部など貴重な史料を保管する。