お客様は神様です という言葉がある。 これはある意味、真理をついている。ただし、この神様は自分が何を欲しがっているのか判っていない神様だ、と言うことを忘れてはならない。 たとえば。お客様が柘植(つげ)で出来た上質のソロバンが欲しい、と言ってきたとしよう。 もし、あなたがソロバンメーカーに勤務する営業マンの場合、多くのケースでは「ほいほい」と取って置きのソロバンを奥から取り出して、10万円で売りさばく、と言うことをするだろう。それは確かに 正しい行為だ。 問題は「ソロバンメーカーとして正しい行為」は「商売として正しい行為」だろうか? という点にある。 お客様は柘植でできたソロバンが欲しいと言う。上質のソロバンは、玉の弾きが良く、計算していてストレスが無い。もし、このお客様が 純粋に趣味で 柘植のソロバンが欲しいと言うなら、この望みを叶えるのは問題ない。しかし、もし違ったら? 仮にこのお客様が