この本を買ったのは、ラジオ(ほかでもないNPR)で十年に一度の駄作のように語られていたからだ。だが、実際に愚かだったのは評価のほうだった。Supercapitalismはきわめて聡明で経験豊富なリベラルによって書かれたじつにすばらしい著作だ。「腐敗」必読資料の最初の一冊に選んだ。 この本のおもしろさを示すヒントを挙げるなら、リベラルである著者が、法人所得税の廃止を主張し(かわりに株主が支払うべきである)、企業は従業員に健康手当を与えるべきではない(税制上の優遇は国の経済にとって大きな歪みであり、国民保健制度が1400億ドル近くの支出を要しながら非効率的で効果が薄い原因となっている)と論じていることだ。どちらの提案も理にかなっており、著者Reichがただ既存の主張を繰り返しているのではなく考えていることを告げている。そしてバークレーの教授であり、クリントン政権で労働長官を務めた著者のように経