「今のメールはちょっと変だったな」「えっ? 何か変なこと書いてましたか?」「メールの本文自体はいいが、書き出しがおかしい」――。 大手総合商社・メデア商事の新人・小林ケンタは朝一番で、取引先へメールを送った。すると、ccでそのメールを受け取った課の先輩・高柳ワタルが小林の席にやってきた。 高柳 おい、今のメールはちょっと変だったな。 小林 えっ? 何か変なこと書いてましたか? 高柳 メールの本文自体はいいが、書き出しがおかしい。 小林は慌てて送信済みのメールを見てみた。 高柳 いきなり「おはようございます」ってあったな。 小林 だって朝一番ですから挨拶は当然かと……。 高柳 そうだな、ちょっとメールの仕組みを考えてみよう。 ケータイメールの普及により、「メール=即時性のあるコミュニケーション手段」というイメージを持っているユーザーが少なくない。しかし本来メールに「即時性」などない。通信経路