結婚したらクビ。妊娠したら中絶を迫られた。外部と接触できないよう携帯電話を取り上げられた。人を好きになることも、自由に話すこともできない。こんな耳を疑うようなことは、実はいずれも日本国内で起きていることでした。(国際放送局記者 大野桃) 「結婚するなら、雇い続けることはできない」こう社長から言われたと打ち明けてくれたのは、ケオ・サメアンさん(30)です。 縫製技術を学ぶため技能実習生として、2年前にカンボジアから来日しました。冒頭のことばは、日本で出会った日系ブラジル人の男性と交際を始めたことから、「結婚したい」と実習先に申し出た際に返ってきたものです。 ケオさんは驚くとともに、カンボジアに帰るしかないと途方に暮れたといいます。 制度上は、実習生が結婚するか否かにかかわらず、働く意志があれば実習を続けることができます。