うつ状態とそう状態を繰り返すそううつ病について、日本うつ病学会は10日、精神科医向けの治療指針を作成し、ホームページ上で公開した。学会による治療方針作成は日本では初という。 同学会によると、そううつ病は患者ごとに症状や周囲の環境が異なるため、医師によるきめ細かな治療が必要とされる。しかし、医師によって治療法が大きく異なったり、新薬や最新の治療法などの情報に多忙な臨床医が十分に追い付けなかったりする問題が指摘されてきた。 指針は「医師の治療裁量を縛るものではない」とした上で、症状ごとに奨励される治療薬の優先順位に加え、家族との対話や規則正しい生活の指導といった精神療法についても紹介。治療薬の不適切な使い方や副作用についても触れ、保険がきかないものについては「対応外」と明記した。新たな治験データなどが得られた場合は、順次指針を更新していくという。 【関連記事】 仕事絡む自殺、対策急務