工事進行基準と日本版SOX法(J-SOX)は、実はものすごく関係が深いのではないか――2007年秋ころから、記者はこんな疑問を抱いていた。受託ソフトウエアの開発に対し、工事進行基準の適用がほぼ決まりかけた時期だ。だがJ-SOXと工事進行基準の関係について明確に説明する文献はないに等しく、取材でもその話に出会えなかった。 「工事進行基準もJ-SOXも投資家保護を目的として適用される」「J-SOXの適用対象であるITベンダーが09年4月期以降から工事進行基準を採用すると、内部統制の整備・運用を見直さなければいけない」。こうしたたぐいの話は色々なところに書かれている。 記者の最大の関心は、工事進行基準を採用したITベンダーが実施する「見積もりの作成」や「進捗の把握」といった業務プロセスが、J-SOX対応の対象となるかどうかだった。J-SOXの適用対象となるとしたら、ITベンダーの負担が格段に増え