ディジタル信号処理、ディジタル制御を行うために設計されたマイコン。 大量のデータを処理するため、フォン・ノイマン・ボトルネックが生じにくいよう注意して設計されている。たとえば内積の計算をするとき、ベクトルAとベクトルBの内積は、初期のDSPでもベクトルの長さのサイクル数だけで演算が可能となっていた。つまり、命令コードのフェッチ、データ乗算と累算(あわせてMACと呼ぶ)、ベクトル要素のインデックス更新(増減)を、すべて一サイクルで実行可能とすることで、ディジタル信号処理やディジタル制御を高速に実現可能となっている。 演算精度に気を使ったアーキテクチャーになっているのも特徴。たとえば、汎用レジスタが16ビットでも、アキュムレータを40ビットとするなど、乗算や累算で桁あふれが生じない工夫がなされている。整数演算だけでなく、固定小数点演算を考慮したり、また、オーバーフローの際に自動的に丸め処理をす