組み込み分野向けのRuby処理系(実装)であるmruby(eMbeddable Ruby)は,オープン・ソースなので,自前でビルドする必要がある.当初のmrubyはビルドにGNU makeを用いていたが,2012年の秋ごろからはRakeというビルド・ツールを用いるようになり,組み込みソフトウェア開発に必要なクロス・コンパイル環境も充実してきた.本連載では,機器に組み込むことを目的とした際に必要となる,mruby のビルド環境について解説する.(筆者) ●mrubyのビルド・ツールの変遷 mrubyは,2012年4月20日に公開された若いソフトウェアです.しかし,オープン・ソース開発の気流に乗り,めまぐるしく進化しました.ビルドするためのツールも,当初はGNU makeでしたし,一時期はCMakeの採用が検討されたこともありました.そして,2012年の秋ごろからはRakeが採用され,現在に