業務要件を整理して機能要件に落とし込む一連のステップは,パッケージ導入ならではの醍醐味があり,コンサルタントにとっては腕の見せどころである。しかし,顧客とコンサルタントの意見が衝突して,双方が気まずい思いをすることが少なくない。 その原因の一つは,パッケージの標準プロセス/機能を押付ける一方的な姿勢,あるいは反対に顧客の要求を丸飲みする受身的姿勢で,コンサルタントが機能要件の定義を進めてしまうことにある。そのような進め方をすると,どんな結果を招くのだろうか。 まず,実現方法の決定が迷走した結果,プロジェクトが止まる。「運用可能な新業務プロセスを定義できない」「適合率が著しく低くなった結果,プロジェクト・オーナーがパッケージ導入のメリットを出せないならば必要ないと判断する」といったことが想定される。だが,この種のチェック機能が働くのはまだ良い方である。 もっと面倒なケースでは,意思決定の根拠