筆者は、高性能な住まいづくりをサポートする会社を経営しており、最近は断熱フルリノベーションをサポートする機会も増えています。本稿では、その専門家の立場から、今回の法改正がフルリノベを検討している方にどのような影響が及ぶのか、また住宅業界全体への影響の可能性について説明したいと思います。 いまリノベを考えている方は、とにかく急いで計画を進めることをお勧めします。 「姉歯事件」以上の官製不況が訪れるかもしれない フルリノベが難しくなるだけでなく、この法改正の影響で、深刻な官製建設不況が引き起こされることも懸念されています。 2005年に起きた「姉歯事件」を覚えているでしょうか? 建物の安全性に関わる構造計算書の偽造が発覚したことを受け、2007年には建築基準法が改正されました。手抜き工事や欠陥住宅の見直しが進んだことはよかったのですが、同時に業界では「改正建築基準法不況」ともいえる状況が起きた