エントリーの編集
エントリーの編集は全ユーザーに共通の機能です。
必ずガイドラインを一読の上ご利用ください。
記事へのコメント0件
- 注目コメント
- 新着コメント
このエントリーにコメントしてみましょう。
注目コメント算出アルゴリズムの一部にLINEヤフー株式会社の「建設的コメント順位付けモデルAPI」を使用しています
- バナー広告なし
- ミュート機能あり
- ダークモード搭載
関連記事
ドーナツ・ホール|さかさきかおる
花東傷痍軍人療養所の建物は古い。二・二八事件のころからあると言われているが、補修と増築を繰り返し... 花東傷痍軍人療養所の建物は古い。二・二八事件のころからあると言われているが、補修と増築を繰り返しており、その原型は嚴文イェンウェンの祖父も知らないだろう。旧時代のコンクリートで固められ、灰色ののっぺりとした外見は物々しさよりもうらびれた雰囲気を与えるが、中は国立の名に恥じない先鋭の義肢設備が整っている。嚴文も、右腕の義肢のために来たときは不安だったが、今はそんなことはない。 療養所は海岸沿いに建っているが、その南側にある店はもっと古いという噂だった。療養所が「うらびれた」なら、その店は「あばら家」だった。木で組まれた小さな建物は、療養所に寄りかかるように建ち、いまにも崩れ落ちそうに見える。実際、強風の折は何度か壁がはがれた。 嚴文は初めそれが店だと知らなかった。ましてや、そこに按摩がいるということなど、想像もできなかった。 「いつ会えるかはわからない」 教えてくれた同じ部隊だった男はそう言