毒は気づかないうちにたまっていく 長い間、人体の中枢を担う脳は、異物が入り込むことができないよう、厳重に守られていると考えられてきました。ところが、2019年にアルツハイマー病患者の脳からジンジバリス菌(※1)が発見された、という論文が発表されて医学界に大きなインパクトを与えました。脳の守りは鉄壁ではない、ということが示されたからです。 ※1 歯周病の原因菌。認知症、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞、誤嚥性肺炎などへの関係が指摘されている。動脈硬化・認知症予防には歯と歯ぐきのケアがとても大切。 また、デール・ブレデセン博士(※2)の説では「脳になんらかの異物が入ると、それと戦うためにアミロイドβが発生し、やがて毒性の強いタンパク質へと変質して神経細胞が機能障害を起こす」となっています。 ※2 アルツハイマー病など中枢神経変性疾患の世界的権威。カリフォルニア大学サンフランシスコ校で多くの研究を行う