自己愛傾向の高い大学生の友人関係についての考察 中西美波子 本研究の目的は、自己愛傾向の高い青年の友人関係のあり方についての3つの仮説①友人と深い関係を持つことができない②深い関係を持とうとしない③友人関係そのものを持つ意思がない、の検証である。大学生301名を被調査者とし、自己愛傾向の高さを測定し、自己愛傾向の高い者の深い友人関係を持つことへの期待の高さと、実際に友人と深いかかわりを持っているかどうかを調べた。また、共感性を測定し、自己愛傾向の高い者に友人との深いかかわりを持つ能力があるのかどうかを調べた。 自己愛傾向の高さの測定には、小塩(1999)が作成した自己愛人格目録短縮版(NPI‐S)を使用した。深い友人関係を持つことへの期待の高さの測定には、岡田(1993)による友人選択理由に関する項目を使用した。実際に友人と深いかかわりを持っているかどうかの測定には、長沼ら(1998)によ