将棋名人戦は今年第66期であるが、第1期名人戦は昭和10年6月の花田長太郎八段対金子金五郎八段戦から、昭和12年2月の木村義雄八段対花田長太郎八段戦まで、足掛け三年の歳月をかけた「八段特別リーグ戦」(9名の八段<土居、大崎、金、木見、花田、木村、金子、萩原、神田>の先後総当り、二日制・持ち時間各13時間)であった。それまでの「一人一世名人制」の最後の名人、十三世名人・関根金次郎が引退するとともに、一大事業として実力制名人制がスタート。第一期名人には、この「八段特別リーグ戦」の最高得点者・木村義雄がなった。ちなみにこのまま十四世が木村義雄。十五世が大山康晴、十六世が中原誠、十七世が谷川浩司で、このたび森内俊之が十八世名人となったわけである。 今日からこの「八段特別リーグ戦」の観戦記(「将棋名人戦全集」第一巻)を読みながら棋譜を並べている。シリコンバレーから昭和十年の日本にタイムスリップしたよ