話は少しさかのぼって、今年の1月頃の話。 その頃の僕は卒業論文を書くのに必死だった。 大学院に進むことが決まっていたので、すこしでもマトモな論文にしなければという思いがある一方で、何を書いていいかサッパリ分からず、ノートパソコンの前で日々悶絶していた。 論文の途中経過は執筆の折々で指導教員に報告していたのだけれど、そのたびに「これは考察じゃない」と突き返されていた。 「データの記述はもういいから、もっと考察を進めて」 とか 「お前の研究は、データは面白いのに解釈ができてない」 とも言われた。 けれど当時の僕は、 「こんなに考察を書いているのに、なんで考察が足らないとか、もっと踏み込めとか言われるんだろう?」 と、まったく意味が分からなかった。 結局卒論提出の日になっても教員の指導の意味は分からず、「考察が足らない」状態を改善できずに提出することになった。 * * * その後僕は大学院に進み