大型恐竜「丹波竜」研究の第一人者で兵庫県立人と自然の博物館(同県三田市弥生が丘6、ひとはく)の主任研究員を務めた三枝春生(さえぐさはるお)さんが今年1月、63歳で亡くなった。丹波竜化石発掘調査の指揮を執り、太古の生態系の解明に情熱を傾けた。中瀬勲館長(74)ら関係者に在りし日を聞いた。(小森有喜、土井秀人) 三枝さんは1992年にオープンする前の「設立準備室」段階からひとはくに関わった。中瀬館長は「各地の研究者が準備室を訪れた際、大声で楽しそうに化石の話をしていたのが印象的」と懐かしむ。専門分野への探究を尽くし、若い時から臆(おく)せず自分の主張をする姿に「自立した学者像」を感じたという。 丹波竜は2006年、丹波市山南町で地元男性2人が発見。ひとはくに持ち込み、三枝さんが恐竜化石と断定した。 「すごい恐竜の骨が持ち込まれた」。三枝さんは自宅に帰るなり、夕食を作っていた妻恵子さんの横に立っ