卓袱台にぺちりと置かれたそれは一枚の大判写真というべきか、掌の二周り程の大きさの写真であって、其処に写るは妙齢な黒髪映える女性が独り。 「道中拾った。誰かは知らん」 そうして茶を啜る魔理沙を他所に、私の視線はその女性から動かすほどが出来ないほどに、こう表したら陳腐なそれなのやもしれないが、何か猛烈に心を奪われ、ついでにその後の言葉をも奪われては何処か呆然とそれを見詰めるのであった。続きを読む タグ :#博例霊夢#霧雨魔理沙#地の文 どうせ暇を貰うのだから、空は青く澄み渡る様な晴れの日であって欲しいと思う願いが通じた様に、いや、主の手前そんな事を願うのは有りなのか無しなのかはこの際置いといて、お天道様が聞き入れてくれた心地よい日差しの中、里をるんるんと闊歩してみれば面々何だかその陽気に中てられた様な顔をしているので、それにつられるかの如く私もついつい頬が緩んでしまうのも仕方が無い事なのである