統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の問題をめぐって、政治と宗教の癒着が大きな焦点となる中で、特定の信仰などを持つ親の下で育った「宗教2世」に対する関心が高まってきている。 ただ、これまで新興宗教などに馴染みがなかった一般の人々にとってみれば、「カルト」と称される信仰を利用した反社会的な集団で育った子どもの問題、異端とされる過激な宗教思想による被害者というイメージが先行し、あまり身近な感じはしないかもしれない。 カルトではなく、ごく普通の宗教であっても しかし、社会に溶け込んでいる伝統宗教などであっても、宗教2世の問題は多かれ少なかれついて回る。なぜなら、信者の子どもはもともと「自ら進んで入信した」立場にはなく、遅かれ早かれ自分でその決断を迫られる立場にあるからだ。しかも人間関係を抜きには語れないことが、ただでさえ複雑な状況をさらに複雑にしている。 私は、奈良県天理市生まれで、両親が天理教