生体を凍らせない特殊なタンパク質に注目 南極マクマード基地で撮影された、氷点下の海水中に生じた氷の中に住む極地魚。(Credit : Dr.Paul A.Cziko, University of Oregon) 南極のように氷で覆われた海には、氷点下の環境でも凍らずに生命を維持する魚が生息しています。 生物の体内には水があり、生命を維持する活動に欠かせない役割を果たしています。水は氷点下では氷となるため、一般的には氷点下の環境では体内の水が凍ってしまい、生命維持が困難になります。しかし変温動物の中には、凍らずに活動できるものがいるのです。 極地の海に住む魚は、血液中に凍結を抑制する特殊なタンパク質(不凍糖タンパク質など)を保有しています。血液が氷点下でも凍らないのは、この不凍糖タンパク質が氷結晶と水の境に吸着することで、結晶の成長を抑制するからとされてきました。しかし、実際にどのように吸着