5月25日に東京都内で開かれた退職記者会見で、野口さんは、次々と感慨深い言葉を口にした。 「後進に道を譲りたい」 「(JAXAにいて次の飛行ができる可能性は)限りなくゼロに近い」 「民間人として宇宙へ行ける可能性は半々ぐらい」 「燃え尽き症候群的なものがある」 「JAXAは温かい組織。心地良かった。そのまま心地よく終わるよりも、民間や世界に出て行って、もう一度もまれてみるのが良い」 「JAXAを嫌いになって辞めるわけではない」 定年まで踏みとどまるか、それとも気力も体力もあるうちに、次のキャリアへ転身すべきか。多くのサラリーマンが直面する問題だ。野口さんもそんな揺れる思いを抱いていたように感じられた。そして野口さんが選んだのは新たな道。今後は民間宇宙旅行の水先案内人やガイド役、大学での研究など、幅広い場での活動を目指すという。 さっそく6月20日には、NECグループのシンクタンク「国際社会