大量のドル外貨準備を持つ日本がドル安を懸念しても仕方ないのではないか、というのはちょっと前に書いたとおりである。円高(ドル安)を避けるために介入し、結果的にドルを抱えた。つまり、日本の通貨政策は円高回避が最重要であった、ということだ。ドル安が不安だからドルを買わない、というのは外貨準備の損失回避が最重要となり、通貨政策は「円高に耐えるぞ」に変わるとを意味する。 で、クルーグマン教授の見解だが、「China and the liquidity trap」で興味深い指摘をしている。これはニューヨークタイムズの経済コラムニスト、David Leonhard氏の米中関係の記事(の一文)に反論したもの。同氏はこの中で「中国がこれからはドル(米債)を買わないと決めたら、金利が急騰して米経済は大変なことになる」と憂慮するが、クルーグマン教授は「違う」と反論している。その内容を超簡単にまとめると以下の通り