1次元パルス・フーリエ変換・ NMRスペクトルの測定原理 パルス・フーリエ変換NMR分光器の測定原理を簡単に図示します。下の図に示されたように箱型の分光器において、高周波(600MHz)の電波(ラジオ波)をパルス状(パルス時間幅約10μs)に整形して発生させ、ケーブルを通して超伝導磁石の中央にセットされたタンパク質の入ったサンプル管に照射します。サンプル中のプロトンは超伝導磁石の静止磁場(z軸)を中心として歳差運動していますが、照射したラジオ波の周波数と、歳差運動の周波数(ラーマ周波数)がちょうど一致する(共鳴)とプロトンの核スピンは90°倒れます。xy平面上に倒れた核スピンの運動は検出コイルに誘導電流を発生し、FID信号(Free Induction Decay)として観測されます。 このFID信号はいろいろなラーマ周波数を持ったプロトンの減衰振動波形の重ね合わせになっているので、個々の