「私は『野村不動産』のブランドを信用したからこそ、彼らが勧めるビルの購入を決めたんです。野村みたいな大企業が詐欺まがいの行為をするなんて……」 契約を巡って裁判が起きるキッカケとなったビルは取り壊され、野村不動産が所有するホテルが開業している そう語るのは都内で不動産会社を経営するA氏である。『野村不動産ホールディングス』の子会社で不動産仲介を主業務とする『野村不動産ソリューションズ』がいま、秋葉原駅前のビルを巡って、ドロ沼の裁判を行っている――そんな情報を裁判記録から入手した本誌が、野村不動産ソリューションズと法廷で戦っているA氏に取材を申し込むと、冒頭のように怒りを滲(にじ)ませるのだった。 ’16年4月、A氏は野村不動産ソリューションズ(当時の社名は野村不動産アーバンネット)広尾センターのセンター長から、秋葉原駅前のビルを紹介された。9階建てで、売却額は13億470万円だった。 「場