プーチン氏レームダック化か 拘束されたハバロフスク地方のフルガル知事=2020年7月10日、モスクワ【AFP時事】 ロシア極東の中心都市の一つ、ハバロフスク市で、反政権デモが1カ月半以上も続く異例の事態となった。発端はプーチン政権が7月に捜査当局を使い、2018年に民意で選ばれていた地元知事を「殺人容疑」で拘束・連行したこと。新型コロナウイルス禍でも、いやコロナ禍にあるからこそ、釈放を求めるデモの火は燃え広がり、いつもは即時に鎮圧する政権も下手に手出しができなくなった。 背景にはもう一つ、先にわざわざ憲法改正に踏み切った事情からも分かるように、プーチン大統領のレームダック(死に体)化が実は静かに進んでいることもありそうだ。政権は最近、誤算に誤算を重ねる傾向が著しい。政権を批判する活動家、ナワリヌイ氏が毒を盛られたとみられる症状で意識不明になる事件も重なり、内政は混沌(こんとん)としてきた。