新型コロナウイルス感染者の情報を共有できるようにする政府の新システム「HER―SYS(ハーシス)」が導入されて約2カ月となるのに、感染者が急増する東京都と大阪府で利用されていないことが厚生労働省の調査で分かった。病院の病床や人員、医療物資を把握する「G―MIS(ジーミス)」の活用も7割にとどまる。政府が感染状況や医療体制を適切に把握できず、感染拡大防止策を速やかに実施できない恐れもある。 (村上一樹) ハーシスは、医療機関や保健所が入力した感染者の氏名、居住地、症状、接触者などの情報を一元的に管理し、国や自治体と共有できる仕組み。従来、医師が手書きの感染者発生届をファクスで保健所に送り、保健所が手作業で入力していたため、大幅な省力につながると期待される。 5月29日に稼働し、保健所を設置する都道府県や政令指定都市など全国155の自治体にハーシスを利用できるIDを発行。だが、7月22日現在、