日本人の国内旅行が伸び悩んでいる。昨年は新型コロナウイルス禍からの回復に伴う「リベンジ消費」が見られたもののすでに一服。物価高に加え、インバウンド(訪日客)の増加で宿泊費が高騰し、希望の日時、価格での宿泊が難しくなっている。訪日客によるオーバーツーリズム(観光公害)も客足を遠ざける一因となっている。 「通行も一苦労」「5、6年前から圧倒的に多くなった」。外国人観光客について話すのは、京都市中京区にある錦市場の老舗精肉店「鳥豊」4代目店主、長谷川孝さん(63)だ。 長年、地元の食を支え、人気観光地として平日もにぎわう錦市場だが、道行く人々から日本語はほとんど聞こえてこない。通りには増加するインバウンド需要を狙い串焼きや天ぷらなどを用意した店舗が並ぶ。長谷川さんの店でも数年前からスモークハムの串などを店頭に並べ、英語表記のラベルも添えるようになった。 長谷川さんは昔ながらの個人店が姿を消してい