1.はじめに 近年、がん検診の効果を科学的な方法で評価し、公共政策として実施するか否かを決定することが、国際的な標準になってきました。わが国でも過去3回にわたってがん検診の効果判定が行われました。効果ありとされたがん検診は、信頼性の高い研究方法により、がんによる死亡率が減少すると判定された方法です。 このホームページでは、がん検診の受診者の皆様を対象に、科学的根拠に基づくがん検診について説明します。 2.がん検診の利益と不利益 がん検診の最大の利益は、がんの早期発見・早期治療により救命されることであります。そのためには、より精度の高い方法で早期のがんを発見することが重要です。 一方、がん検診にも不利益な側面があります。 第1は、検診によってがんが100%見つかるわけではないという点です。どのような優れた検査でも100%の精度ではありませんし、病気になる個々人の差があります。したがっ