同志社大学と佐賀大学の研究チームは12月10日、硫化水素中毒の解毒剤の開発に成功したと発表した。研究チームが開発した人工ヘモグロビン化合物「hemoCD」で、硫化水素中毒の解毒作用を確認。解毒剤の投与後は、すぐ尿として排せつされるため安全性も高く、救急救命時の利用にも適しているという。 硫化水素は、火山や温泉地などで自然発生している腐卵臭を示すガス。空気よりも比重が重く、地下にたまりやすい性質を持つ。低濃度では独特の臭いを発するが、濃度が上がるにつれ嗅覚がまひして臭いを感じなくなり、毒性も顕著に現れるため死に至る可能性も生じる。 石油・ガス生産工場などでも生じる化学物質だが、その取り扱いにはとても注意が必要。中毒が発生した場合、患者本人だけではく、居合わせた医師や看護師にも2次被害が生じる危険性があるからだ。中国では10月、バイオ工場で硫化水素中毒が起き、7人が死亡している。一方、現在は硫