「よ、弱め界磁ですか?」。懐かしい言葉が飛び出したので、椅子からちょっとだけ落ちた。最先端の電気自動車(EV)の話をしている最中に、そんなシブイ言葉に出会うとは…。 「弱め界磁」は、昔の電車でおなじみの用語である。“鉄道少年”だった小学生のころ、まず抵抗制御、次に直並列制御、それでも足りなければ弱め界磁…、その辺を聞きかじっていた。飯田橋の左コーナーを曲がり、お堀端の直線に向かって加速する中央快速線の中で「行けえー、弱め界磁だー」などと叫んでいたものだ。はい、イヤなガキです。 その弱め界磁がEVの分野に現れた。マツダが発表した「プレマシー ハイドロジェンREハイブリッド」向けに安川電機が供給したモータ、インバータの話である。 モータはコイルの巻き数を増やせば低回転向きに、減らせば高回転向きにと、性格を変えられる。それなら切り替えて、“二重人格”にしてしまおうと言うものだ。低回転向けから高回