1 押し流される新大綱(25大綱) 日米防衛協力の指針(ガイドライン)が、1997年以来、18年ぶりに見直され、大きな進歩があったことは喜ばしいことである。 しかし、その中に米国の作戦・戦略の大変革によって突きつけられている我が国防衛政策の大胆な転換への要求があることに気づいているだろうか。 日米の新ガイドラインの中に繰り返し出てくる、日本が「防衛作戦を主体的に実施」し、米軍は「自衛隊の作戦を支援し、補完」するとしたところに重大な意味がある。 日本の防衛は日本が主体となって実施することは至極当然だが、この文脈は従来の延長線での防衛の概念ではなく、作ったばかりの防衛計画の大綱を早急に見直さなければならないほどの重大な意味が込められている。 中国は、2015年の国防白書で2021年までに中国の夢、すなわち、強軍の夢を実現することを明確にした。事実、中国軍は2020年を目標として宇宙ステーション