三島:それは、東工大を、欧米トップ級の理工系大学と対等な実力を持ち、世界中から優秀な学生や研究者が集まってくるような大学にすることだ。英タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)などが発表する世界大学ランキングを見ても、東京大学や京都大学を含め、日本の大学は総じて「教育」のスコアが米マサチューセッツ工科大学(MIT)や米カリフォルニア工科大学(CALTECH)に比べて低い。(連載第1回「日本の大学が世界ランキングで低迷するワケ」) 「教育」の評価項目には、講義を英語で行っているか、という要素も含まれる。それなら、「学部を含め今の講義を全部英語にすればいいじゃないか」という意見もあるが、そもそも教育の中身が良質でなければ、英語化したところで国際的には認めてもらえない。だから、講義を性急に英語にするよりも、まずは教育の質をしっかりと誇れる水準にする、というのが私の考えだ。 「高尚」な講義だ