著者: トーマツ企業リスク研究所 主席研究員 伊藤 哲也 前へ 3.2 クラウドコンピューティングのリスクとIT統制 リスクとそれに対応する内部統制という観点からは、仮想化されているとはいえ、どの程度管理できるのか?という観点から統制はある程度決まってくる。クラウドのプロバイダーが外部のベンダーということであれば、ある種のアウトソーシングともいえる。従来からの外部委託場合の課金体系、サービスの内容とその変更の柔軟性、可用性、スケーラビリティ、要求されるレスポンス、継続的な提供可能性、セキュリティ、監査等といった基本的な課題がリスクとして考えられる。クラウドを利用するに当たって、「クラウド」の一言で済ますのではなく、そのような課題が具体的に詰められているかどうかがポイントとなる。対応が不十分だと、特に、セキュリティについては、構成がわからないとか、社外にデータが保管されるといった点から漠