現在、ボストンから東博に来ている曽我蕭白の《雲龍図》はインパクトが強い作品なので、TVでも何回か紹介されているし、自分でも2度見に行ってきた(第1回、第2回)。 最近、またまた良いTV番組があったので、忘れないうちにメモを残しておく。 1.墨の濃さが異常に強く、漆黒ともいうべき濃さであることについて: 日本画家・中野嘉之画伯 ・すって使う「松煙墨」よりもはるかに濃い。提灯などの文字に使う「削り墨」である。 ・蕭白は、この龍の目の周囲にこの削り墨を幾重にも塗って、メダマを浮き上がらせている。背景にも、この濃い黒を使っている。 2.「海北友松《雲龍図》@建仁寺方丈」との類似について: 狩野博之同志社大学教授+ARATA(井浦新)さん ・龍の顔の向きや空気の流れなど、構図が似ている! ・京都の画家であった蕭白が見ている可能性が大。蕭白の《雲龍図》はこの画に触発されたのだろう。 3.「狩野光信《蟠