当時、帝国陸軍の将校准士官が装備する護身用拳銃は軍服や軍刀などと同じく私物・自費調達の「軍装品」扱いであったため、FN ブローニングM1910(ブローニング拳銃)やコルト M1903などの外国製輸入拳銃約30種、日本製なら杉浦式自動拳銃などから各自が任意に調達していた。それら「軍装拳銃」の使用実包(弾薬)は.32ACP弾(M1910・M1903・杉浦式など)が主流であったものの、中には.25ACP弾使用拳銃(FN M1906やモーゼル M1910(英語版)など)もあり統一されておらず、またメンテナンス方法や使用部品もばらばらだったため、国産拳銃に統一しようという声が上がっていた[注釈 1]。しかし当時南部式自動拳銃の小型版、南部式小型自動拳銃は7mm南部弾使用による威力不足や価格の高さなどで生産中止、また南部式自動拳銃(大型)ならびに陸軍制式の兵器である十四年式拳銃は大型拳銃のため将校用に