今年の元旦、午前2時を少し回ったところだった。カリフォルニア州オークランドを走る地下鉄の駅で、22歳の黒人青年が白人の警官に射殺された。 若者の名をオスカー・グラントという。4歳の幼い娘を持つ男だった。 銃弾を撃ち込まれた際、グラントはプラットホームにうつ伏せに寝かされていた。両手首には手錠が掛けられ、どう足掻いても警官に抵抗はできなかった。彼は地下鉄車内で乱闘を起こしたが故に、そのような姿となっていた。 グラントは病院に運ばれたが、撃たれてからおよそ7時間後に息を引き取る。 この模様を、停車中の地下鉄利用客が、携帯電話の動画機能で撮影していた。やがてその映像がYouTubeで出回るようになる。無抵抗のグラントに発砲する必要があったのか? そんな物議が醸し出され、オークランドでは暴動やデモ行進が起こった。 暴動まで発生、警官は逮捕 ホームにうつ伏せになる前、グラントは警官に対して懇願するよ