まずい、あと1週間しかない。 「今年のクリスマスにプロポーズしなければ別れるから。」 同棲して3年になる彼女は、夏の帰省から帰ってきた途端にこう告げた。 高齢出産ということもあり、何度も顔を合わせている彼女の親は、確かにおれの親よりも白く、弱く、小さい。 そんな彼女の父親の「おれだって、再来年は免許返納する年だからなー」というボヤキは彼女に深く刺さったらしい。 頻繁に会う中で見た目の変化こそ感じないものの、実際に過ぎていく時間の速さに驚愕したと言っていた。 親が元気なうちに、もっというと、彼女の父親が車を運転できるうちに、子供を授かり、みんなでドライブしたいらしい。 おれだってそんな気持ち聞いて、重い腰が上がりかけるさ。 ただその腰に縛り付けられた、土嚢のような不安をどうしても吹き飛ばせないでいる。 好きな気持ちがこれらを吹き飛ばしてくれるとしたら、それこそ恋は嵐というべきか。 くー。迷う