日銀は二つの行為で為替相場に影響を与えることができる。一つめは外国為替市場での売買、二つめは政策金利の変更である。もっとも、一つめの外国為替市場での売買で為替相場に影響を与えるという政策は、日銀の政策ではなく、財務省が管轄する政策である。日銀は外貨の売買を行うことはできるが、為替相場に影響を与えるような売買(つまり、現在行われている介入)は国の事務の取り扱いをする者として行うことが日銀法第40条2項で定められている。 現行の法律下で行われる円売り介入の方法は、まず財務省が短期国債を発行して円資金を調達し、その調達した円を日銀を通じて外為市場で売却するかたちで行う。一方、最近耳にする「日銀による外債購入」は、日銀が円を刷って(発行して)直接外貨を購入するという方法を意味している。スイスの中央銀行は大量にスイス・フランを刷って(発行して)、それを対ユーロで売却し、フランの対ユーロ相場の上昇を抑