「平成」の元号は、1989年1月7日、首相官邸で、小渕恵三官房長官から発表された(写真:Fujifotos/アフロ) 間もなく新元号が発表され、およそ30年続いた「平成」も終わりを告げようとしています。昭和のように戦争にも巻き込まれることなく、一見平穏だった30年間のように思えますが、実は大変な激動の時代でもありました。そこで改めて、平成という時代を振り返ってみたいと思います。 平成の三大構造変化 平成には、3つの大きな構造変化がありました。 1つは、戦後レジームの崩壊です。平成が始まった1989年は、ちょうどベルリンの壁が崩壊に向かう年でした。そこから、それまで厳然としてあった東西冷戦構造が一気に終結に動き始め、2年後には東側陣営のリーダーであるソ連までもが崩壊してしまいます。まさに戦後レジームは、平成の始まりとともに崩れ、その結果、アメリカ一強状態が現出しました。 2つ目の構造変化は、