[レビュー]存在と存在が結びつくことによる解放。百合ファンもノベルゲームファンも,今すぐ「岩倉アリア」に触れるべき ライター:ラブムー 2024年6月27日にMAGES.から発売された「岩倉アリア」は,「百合作品であること」をメーカーが公式サイトで事前に謳ったことで注目を浴びた作品だ。 それ自体は,百合ゲームファンに喝采とともに受けとめられたように思う。しかしそれを慶賀すると同時に,筆者は声を大にして言いたいのだ。 本作はもっともっと多くの人にプレイされるべきすごい作品だよ!と。 今日,虐げられていると感じている人,自由を求める人、サスペンス、ミステリ、ノベルゲームを愛するすべての人に今すぐプレイしてほしい。そんな思いをこめてこのレビューを書いている(どうかあなたに届きますように)。 「他者を愛する」とは? 本作は旧華族の屋敷にひょんなことから女中として働くことになった北川壱子と,屋敷の1